予防接種 VACCINAZIONE


1.
日本とイタリアの違いをチェック
奨励している予防接種の種類や、受ける時期に多少違いがあります。まずは、違いを見てみましょう。

ここが大きく違う

予防接種

日 本

イタリア

B型肝炎全3回 ○2016年10月より定期接種
2016年4月1日生まれから対象で単独接種
定期接種で大半が受ける。DPT+ポリオ+B肝+ヒブの6種混合
日本脳炎 一時中止となったが、現在は4回接種 ×ワクチン手に入りにくい
BCG 定期接種で生後1回 ×通常受けない
髄膜炎菌 ×通常受けない 奨励接種1歳以降1回接種
水痘(水ぼうそう) 定期接種で1~2歳に2回 任意接種で2回
ロタウイルス 任意接種で生後6~24週に2回(1価) ×通常受けない
A型肝炎 ×通常受けない 奨励接種2回接種

・水痘(水ぼうそう)は、ミラノでは持病のある人や12歳以上で免疫を持たない人など無料接種。その他はプライベート医で有料可能です。
・日本脳炎は、イタリアでは、保健所国際課やプライベート医において、有料接種可能です。
・ロタウイルスは、イタリアでは未熟児や持病ある乳児に奨励、一部の病院やプライベート医で有料接種可能です。
・A型肝炎は、2016年より奨励していて無料接種可能です。

ここがちょっと違う

予防接種

日 本

イタリア

麻疹、風疹、おたふくかぜ 麻疹、風疹2種混合で定期接種2回、おたふくかぜは任意 麻疹、風疹、おたふくかぜ3種混合で奨励接種2回
ヒブ、肺炎球菌 ヒブ、肺炎球菌混合で4回の受け方が一般的 ヒブは6種混合で、肺炎球菌は単独で3回ずつが一般的
DPT+ポリオなど 生後3~6か月に3回、1~2歳で4回目、11~12歳DTのみ 生後3、5、11か月で3回、5~6歳で4回目、15~16歳DPTのみ

ポリオは、日本では経口生ワクチンを使用していましたが、2012年より欧米同様の不活化ワクチン(注射)が採用され、DPTとの4種混合で4回接種されます。

~イタリア予防接種事情と子どもの健康~

副反応のリスクと予防のベネフィットとの関係で、積極的に接種するようになったり、接種に消極的になったりする動きが生じます。日本では、日本脳炎ワクチンが副反応のため奨励を一時中止されましたし、麻疹、風疹は流行を懸念して2回接種となりました。最近ではHPV頸がんワクチン(ヒトパピローマウイルス)が奨励を控えるようになりました。 イタリアでは義務接種制で、10年ぐらい前までは、受けるよう強く要請する手紙を受け取ったり、学校入学を断られたりすることもありました。現在は、日本と同じように、個人の判断や体質の違いを尊重する傾向が強くなっています。したがって定期接種を受けていなくても、学校生活などで困ることはありません。 予防接種は、お子さんの体質に加え、イタリアでの滞在期間、将来の海外生活なども考慮に入れて、受けるかどうかを決めるようにしましょう。

2.日本とイタリアの予防接種スケジュール比べ
それぞれの国の予防接種スケジュールは下の表(めやす)のとおりです。

◇日本の定期予防接種スケジュール(受ける時期 めやす)2016年10月からB型肝炎ワクチンが定期接種




















11
13
Hib
肺炎球菌
B型肝炎
DPT-IPV
BCG
MR
水痘
日本脳炎 ✔✔
DT
HPV

スケジュール備考
Hib(ヒブ、インフルエンザ菌b型)
DPT-IPV(ジフテリア、百日咳、破傷風、ポリオ)
MR(麻疹、風疹)
DT(破傷風、ジフテリア)
HPV(ヒトパピローマ)女子3回接種、現在積極的な奨励を差し控えている。
・任意接種(おたふくかぜ、A,B型肝炎、ロタウイルス)
・高齢者定期接種(肺炎球菌、インフルエンザ)

◇イタリアロンバルディア州定期予防接種スケジュール受ける時期 めやす)









10

11

12

13



15
16
肺炎球菌  ✔
6種混合  ✔
MPR  ✔  ✔
髄膜炎菌  ✔
DPT-IPV
DPT  ✔

スケジュール備考
・6種混合DPT-IPV:ジフテリア・百日咳・破傷風・ポリオ、HBV:B型肝炎、Hib:ヒブインフルエンザ菌b型)
MPR(麻疹、おたふくかぜ、風疹)
肺炎球菌13価結合型、1歳までは3回、1~2歳は2回、3歳以上は1回接種
髄膜炎菌C群1回接種
A型肝炎2回接種(定期接種ではないが、2016年1月から無料接種)
HPV(ヒトパピローマ2価)女子年齢により2~3回接種
任意接種(ロタウイルス、インフルエンザ、水痘)
水痘(水ぼうそう)一般の保健所では受けることができない、有料の任意接種

~イタリア接種率事情~
感染例が少なくなったため、接種率は近年やや低下傾向となり、懸念するニュースがときどき紙上に載ります。2015年10月のコリエーレ紙によりますと、それでも定期接種では接種率90%以上を保っていて、2013年の2歳台のイタリア全国平均データで、ポリオ95.6%、DPT95.5%、B型肝炎95.5%、ヒブ94.7%、MPR(麻疹、おたふくかぜ、風疹)88.3%、髄膜炎菌はロンバルディア州で79.4%となっています。任意接種ではかなり低く、水ぼうそうは無料接種をしている州では高くて平均では36%、インフルエンザはロンバルディア州で46.3%です。

~イタリア麻疹(はしか)事情~
日本国内では2016年、関西、関東を中心に、広域で麻疹(はしか)が発生し、9月中旬までで、感染者は115人に達しました。前年までの感染者ですが、2015年は年間合計24人と激減し、日本は麻疹が排除状態にあることをWHOより認定されてました。しかしながら、実際には、2年前2014年は367人、2013年は53人で、年によって感染者数が大きく変動し、今年は再び感染者が多い年なのかもしれません。
一方、イタリアの麻疹感染者数ですが、例年日本よりかなり多くなっています。2015年251、2014年1696、2013年2258件で、疑い例、可能性例、確定例含みますが、EU内でも感染者が多いといえます。コリエーレ紙によりますと、2016年上半期EU全体感染者数1818件のうち31%の572件がイタリア国内の感染者だったそうです。当然排絶状態ではありません
感染経路は、空気感染、飛沫感染など極めて感染力が強く、機内やコンサート会場など同じ空間にいるだけでも免疫がなければ、高い確率で感染するそうです。手洗いやマスクの効果はあまりないとのことです。
唯一の予防方法はワクチン接種で、イタリアでは一般的に、麻疹、おたふくかぜ、風疹の3種混合接種で、1歳と5歳ころに2回受けます。接種率が現在85%を超えている小児では感染者が減り、15~40歳の若年層で多くなっています。日本では麻疹、風疹の2種混合ですが、やはり2回接種が定着している幼児より、成人感染例が目立ちます。
イタリア赴任前や赴任中に、麻疹にかかったことや接種歴が明らかでない人は、かかりつけ医に相談されることをお勧めします。

~イタリア髄膜炎事情~

イタリアでよく報道される病気の一つに髄膜炎があります。2014年ころから、トスカーナ州で感染者が多かったのが、2016年にはミラノなど北部でも感染して死亡するケースが報じられ、予防接種を急遽受ける人、少しの発熱で救急病院を受診する人が増えています。

髄膜炎の流行病原体は多種類あり、髄膜炎菌ではB群とC群が多く(アフリカ地域ではA群中心、その他Y,W135,X群などがあります)、その他は肺炎球菌、インフルエンザ菌(Hib)、結核菌、ブドウ球菌、連鎖球菌、大腸菌なども原因菌となります。

イタリア保健省によりますと、感染者数は2015年合計1815人、2016年1376人と、この2年間はどちらかといえば減少傾向です。うち、トスカーナ州やミラノで感染者が出ている髄膜炎菌によるものが178件、肺炎球菌940件、Hib80件(2016年)となっています。
致死率は、肺炎球菌で10%(98人)、髄膜炎菌12%(21人)、うちC群髄膜炎菌のみだと23%(感染者51人の13人)と高くなっています。それでも死亡数は4年間合計で629人、昨年も例年並みとなっており、交通事故による死亡数(2015年だけで3419人)と比較しても、トスカーナ州以外では今のところ流行は警報を発する状況ではなく、過剰に心配する必要はない、というのが保健省の見解です。

主な症状は、発熱、頭痛、嘔吐で、進行すると意識障害や項部硬直などがみられます。急速に悪化する電撃型や、後遺症を残すこともあるので、発症すればやはり侮れない感染症で、迅速な診断と早期治療が鍵となります。

髄膜炎菌感染のリスクが高い年齢層は、5歳までの乳幼児と10代20代の若者です。B群では1歳までの乳児が高くなっています。

ちなみに日本国内の細菌性髄膜炎の発症数は、年間合計約1500人と推定され、うち髄膜炎菌による発症は、年間数例程度と少ない特徴があります。

予防接種については、当地イタリア・ロンバルディア州では、C群髄膜炎菌ワクチンを1歳以降に定期で無料接種しています。10代や20代には4群ワクチンを、その他の年齢層でも、持病のある人や特別な環境下にある人にワクチン接種を奨励しています。
ワクチンの種類は、今のところ全部で次の3種類です。B群も一部の地域で無料接種していて、今後当地でも定期接種となる見通しです。
・C群髄膜炎菌ワクチン
・A、C、W135、Y4群ワクチン
・B群髄膜炎菌ワクチン
日本では、定期接種ではありませんがイタリア滞在中は定期予防接種のスケジュールどおり髄膜炎菌ワクチンも接種されることをお勧めします。

~予防接種 VACCINAZIONI~

・6種混合   Esavalente
(ジフテリア・破傷風・百日咳・ポリオ・B型肝炎・インフルエンザ菌b型
 Difterite-Tetano-Pertosse-Poliomielite-Epatite B-Haemophilus b
・麻疹⁻おたふくかぜ-風疹   Anti-Morbillo-Parotite- Rosolia
・髄膜炎菌   Anti-meningococco
・肺炎球菌   Anti-pneumococco
・ヒトパピローマAnti-Papilloma Virus
・A型肝炎 Anti-Epatite A
・インフルエンザ Anti-Influenzale
・水痘(みずぼうそう)Anti-Varicella
・ロタウイルスAnti-Rotavirus

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3.インフルエンザ予防接種

2014-2015の流行まとめ
保健省のレポートによりますと、前々シーズンは1月末がピークで、全体の感染者数では中~高レベルの流行となりました。国内10.8%の人が感染し、重症患者485件(うち死亡者数160人)となったそうです。特に子どもの感染者が多く、4歳までが全体の26%、5~14歳が9.9%、年齢が上がるほど感染者の割合は低くなる傾向がみられたようです。

昨シーズン2015-2016
昨シーズンは、A型43%とB型57%の両方の流行があり、例年より遅めの2月中旬にピークとなりました。イタリア国内全体の感染者は約8%(前シーズン約11%)の490万人にとどまり、低レベルの流行となりました。子どもの感染率は4歳まででは22.7%、5~14歳では16.5%となり、最近の傾向ですが、年齢が上がるほど低くなる傾向がありました。

一般予防対策
やはり手洗いは、強く奨励しています。
①手洗い(水道なければアルコール製剤)
②咳、鼻、くしゃみエチケット
③感染初期の自宅休養
④病院内でのマスク装着などを挙げています。

予防接種
イタリアでも、任意の予防接種で、流行前に毎年行われる臨時接種です。保健所などで、65歳以上の高齢者や、慢性疾患(呼吸器、循環器、免疫不全疾患、糖尿病、喘息など)のある方に推奨しており、無料で接種を行っています。その他希望者は、ホームドクターなどで有料接種となります。

ワクチンは、A型(H1N1,H3N2)2種とB型1種の3価ワクチンと、A型(H1N1,H3N2)2種とB型2種の4価ワクチンが可能です。接種の方法は日本と少し違いますが、9歳までで初めて受けるお子さんのみ2回接種で、その他は1回接種となります。接種時期は、10月中旬~12月末までが目安です。ホームドクターなどに、接種不適当者や副反応の注意などについて、よく相談をしてから、接種を決めるようにします。

来シーズンの北半球での流行をWHOが予測して推奨する株3価、またはそれら類似株が採用されるので、日本とほぼ同じA型2種とB型1種の混合ワクチンとなります。

WHO2016/2017冬シーズワクチン株(イタリア)
(1)A/California(カリフォルニア)/7/2009(H1N1)pdm09
(2)A/Hong Kong(香港)/4801/2014(H3N2)
(3)B/Brisbane/60/2008(ブリスベン)(ビクトリア系統)
⋆4価ワクチン(4)B/Phuket(プーケット)/3073/2013(山形系統)

日本はさらに独自に選定して、4価ワクチンのみ類似株で違います。
(1)A/California(カリフォルニア)/7/2009(X-179A)(H1N1)pdm09
(2)A/Hong Kong(香港)/4801/2014(X-263)(H3N2)
(3)B/Phuket(プーケット)/3073/2013(山形系統)
⋆4価ワクチン(4)B/Texas(テキサス)/2/2013(ビクトリア系統)

イタリアの薬局で市販されるのは、サノフィパスツール社、グラクソ・スミスクライン社やノバルティス社などヨーロッパのメーカーのワクチンで、種類としてはスプリットワクチンやビロゾームワクチンが一般的に多く使われています。また保健所では、高齢者にアジュバントワクチンが使われています。

ワクチン種類

ワクチン 特 徴 対象など
スプリット ワクチン エーテル処理によってウイルス粒子の形態を壊し表面たんぱくを取り出したワクチン 生後6ヶ月~。日本で使用されているワクチン。皮下注射タイプもある。
サブユニット ワクチン ワクチンとしての有効成分である特定の抗原のみ含む純度の高いワクチン 副反応の既往がある人向け。ただし免疫効果弱くなる傾向あり。
ビロゾーム ワクチン サブユニットワクチンにビロゾームを結合し、免疫の効果を高めたワクチン 生後6ヶ月~。サブユニットに免疫効果が強化されたタイプ
アジュバント ワクチン 油性型エマルジョンMF59を免疫補助剤アジュバントとして加えたワクチン 主に65歳以上の高齢者。低下している免疫応答を増強する
皮内投与スプリットワクチン スプリットワクチンを皮内投与デバイスを用いて皮膚上層部に投与するもの 現在のところ、主に大人のみに認可

年齢別接種の方法
日本では普通13歳未満で2回接種となります。イタリアでは9歳未満で初めてのお子さんのみ4週あけて2回接種です。一度受けたことがある場合は、小さいお子さんでも1回接種となります。接種量は、3歳未満では0.25ml、3歳以上では0.50mlを接種します。

6~36か月 サブユニットワクチンまたはスプリットワクチンを0.25ml、初めて接種するお子さんは4週間あけて2回接種
3~9歳 サブユニットワクチンまたはスプリットワクチンを0.50ml、3価または4価ワクチンでもよい。初めて接種するお子さんは4週間あけて2回接種
10~17歳 サブユニットワクチンまたはスプリットワクチンを1回0.50ml、3価または4価ワクチンでもよい。
18~64歳 サブユニットワクチン、スプリットワクチン、細胞培養ワクチンを1回0.50ml、3価または4価ワクチンでもよい。
60~64歳 サブユニットワクチン、スプリットワクチンを1回0.50ml、皮内投与スプリットワクチンを1回15μℊ株/0.1㎖、3価または4価ワクチンでもよい。
65歳以上 サブユニット、スプリット、アジュバントワクチンを1回0.50ml、皮内投与スプリットワクチンを1回15μℊ株/0.1㎖、3価または4価ワクチンでもよい。

日本では皮下注射と決まっていますが、イタリアではほとんどのタイプが筋肉注射ですが、近年スプリットワクチンの皮内投与型があります。こちらの接種量は、0.1mlで9~15μℊ株/0.1㎖です。

接種料金
高齢者や持病のある人は保健所で無料です。有料接種は、ホームドクターなどで、ワクチンは10€前後、接種料1回30€以上(医師会最低料金)となります。ワクチンはだいたい処方をもらって、事前に薬局に買いに行きます

接種前の注意
イタリア
のインフルエンザ予防接種に対する一般的な考え方は、元気な人は感染したら、安静にして治せばよいというものです。こじらせるリスクの高い人や絶対休めない人は、以下の注意をよく読んで決めるようにしましょう。注意の内容は日本と同じです。

接種不適当者
次の人は受けることができませんのご注意ください。
・生後6か月未満の乳児
・ワクチンの成分で重篤なアナフィラキシー反応を呈したことがある人
・発熱を伴う急性疾患の症状を呈している人(延期)
・ギラン・バレー症候群既往歴のある人はご相談ください。

副反応
次のような副反応があるので、よくお読みください。
ワクチンを接種した場所に痛み、発赤、腫れなどを起こすことがあるが、ほどなく消失する。
・特に初めて接種する人に、接種後6~12時間以内に、全身性の反応として、発熱や体のだるさなどがみられること がある。普通1~2日で消失する。
・その他の予防接種同様、重篤な副作用を呈すことがまれにある。


~2016-2017今季インフルエンザワクチン申込み受付中~
受験生や遅めの流行も考慮して、次の日程となりました。
日程
・2016年11月16日(水)午後終了
・2016年11月26日(土)午前予約終了
場所
・Via Caccialepori,18 Milano Dr Lassini診療所
ワクチン
・18歳未満スプリットワクチン
・18歳以上保健所と同じアジュバンド添加ワクチンも可能
・60歳以上ハンコ型皮内注射可能
選定以外のワクチンについてはご相談ください。
その他の日程や医療機関での個別対応についてはご相談ください。

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