歯科 ODONTOIATRIA

一時帰国してかかることもできますが、歯科治療は早くに済ませたほうが簡単ですし、検診も定期的に行うほうが早期発見早期治療につながります。ミラノ赴任中も、かかりつけの歯科医をきめて、子どもは6ヶ月に1回、大人でも1年に1回は足を運びたいものです。

1.個人開業の歯科医

イタリアでは、個人開業の歯科医さんがほとんどで、パラッツォのインターホンの近くに小さな看板が貼ってあって、建物の中にあります。個人開業の歯科医では、保険内診療は行っていません。数多くあるので、近所の歯科医さんに行って見るのもよいかもしれません。事前に費用や技術などの評判を口コミで確認します。かかりつけの歯科医さんがあれば、定期健診やアドバイスは無料で受けることができます。

矯正治療やインプラントなどは、費用や治療期間の負担が大きいので、見積り(preventivo)やスケジュール(programma)を事前に書いてもらい、加入している保険やセカンドオピニオンを十分確認してから治療を始めましょう。

大掛かりな治療や口腔外科の手術は、麻酔科もある大きな病院が安心です。

症状が急に悪化したとき、または口腔のけがの際には、年間を通して24時間体制で行っている救急歯科に行きます。緊急を要するケースの応急手当のみで、軽症者の受診や継続的な治療はしてくれません。長く待たされることもあるので、ご注意ください。

2..私立や公立病院内の歯科
保険内診療とプライベート診療の両方を受け付けているところもあります。保険内診療では、他の診療科と同じように、予約時に保険証番号、税務番号、指示書が必要です。齲歯治療、不正咬合矯正治療などは、公費で受けることができます。それに伴うレントゲンなども公費負担となります。

私立病院では、プライベート診療がほとんどですが、その場合は、個人開業の歯科医と同じで、全額負担の治療となります。受診の際に指示書の必要はありませんが、口腔パノラマレントゲン検査などでは、指示書が必要になります。プライベート医の指示書であれば、検査費用も全額個人負担となります。

~イタリア歯科矯正事情 ORTODONZIA~

イタリアでは一昔前から歯科矯正治療がさかんです。ヨーロッパ全体では歯科矯正の歴史は大変古く、古代ギリシャ文明の出土物に矯正装置と見られるものが見つかっています。実際には18~19世紀に研究が盛んになったそうで、早くから人々に浸透している治療です。

日本では1979年になって矯正歯科という診療科目ができたそうです。最近までは歯科では虫歯だけみればよいとの考え方が一般的でした。以前は学校歯科検診でも虫歯何本といった内容だけでしたが、現在では、日本でも矯正学が進歩し、全国に認定医さんが2000人以上もいて、治療を受ける人も年々増えています。

イタリアでも矯正装置はいろいろですが、伝統的なワイヤー矯正が主流です。少し高くなりますが、目立たないよう工夫した審美ブラケット装置、白色セラミック製、裏側矯正装置、マウスピース矯正も行われています。

歯列のスペースが不足している場合、抜歯をするかどうか悩むところです。小学校低学年までだと非抜歯で顎の発育を利用し、拡大する床装置を使う方法もあります。治療後に後戻りのすることもあるので、必要最低限の抜歯を行うことも考慮します。

診療期間は固定式の矯正で1年~2年、床装置で顎を広げる矯正も行うと2年以上と長くなるので、医院や治療法を決めるときには、ストレスの少ないものを選ぶ必要があります。

費用は一般的な矯正器具上下で平均2000~6000€ぐらいです。期間中の診察費用や取り付け費用、保定装置など含まれているか確認します。できれば見積書を書いてもらいましょう。支払い方法は分割で月払いが可能です。加入している保険があればカバーされるかどうかも事前に確認しましょう。

矯正治療中は、装置に汚れがたまり、虫歯になりやすいものです。装置をつけたら、ブラッシングのやり方も聞いておいて、ふだんの歯磨きをしっかり行うことが一番大切です。

・口腔パノラマレントゲンortopantomografia
・不正咬合malocclusione
・正常咬合occlusione normale
・上顎前突denti superiori sporgenti
・開咬morso aperto
・過蓋咬合morso profondo
・交叉咬合morso incrociato
・叢生affollamento
・反対咬合(下顎前突)sovramorso

~イタリア智歯抜歯事情 ESTRAZIONE DEL DENTE DEL GIUDIZIO~

イタリアでは、将来生えてきそうな智歯(親不知)は、生える前の抜歯を勧めることが多いです。抜歯困難な場所に生えてきたり、齲蝕させて他の歯に影響したりする前に対応したほうがよいとの考えからです。また、生える前の方が歯根が抜けやすく、抜歯も簡単に済むことが多いようです。

時期・・・だいたい永久歯が生えそろうころ、矯正治療が終了するころに行われます。部分麻酔で切開して縫合処置が行われます。

事前検査・・・上下の口腔パノラマレントゲン画像で、智歯の有無、位置を確認。全くない人や2本×4カ所にある人もいます。抜歯するかどうか、1本ずつあるいは複数本同時に行うかどうか決めます。

抜歯前・・・1時間前に抗生剤服用。麻酔が行われるので、健康状態を確認したり、同意書に署名したりします。

抜歯・・・麻酔後、抜歯。簡単な場所であれば20分程度、骨に埋め込まれている難しい位置であれば1時間程度。

抜歯後の注意

・当日は、頭を高くして安静にする。運動は禁止。
・当日の食事は、冷たい液状やクリーム状のものを摂取。アイスクリームやヨーグルトなど。
・患部から出血があれば、ガーゼを15~20分噛んで止血。大量に出血する場合はすぐ医師に連絡する。
・当日は、歯みがき粉を使わないで歯磨きをする。うがいはあまりしない。
・氷で患部側の頬を冷却する。15分間隔で4~5回繰り返す。
・抗生剤を処方にしたがって服用。薬品アレルギーなどなければオーグメンティンを12時間毎に5日間程度。
・鎮痛剤(OKIなど)を食後に服用する。
・殺菌効果のあるうがい薬(CURASEPTなど)で、食後1分ブクブクうがいを2週間継続する。
・経過が良ければ、数日~1週間後に抜糸となる。

3.予防歯科
ミラノでも、生涯健康な歯を保つことができるように、子どもも大人も歯周病や虫歯の予防を重視しています。
Studio Odontostomatologico Lucci (ルッチ歯科口腔科医院、住所Via dei Ciclamini,11 Milano)に聞きました。

家庭での予防の基本は歯みがき

・歯ブラシ・・・まっすぐシンプル。毛先は平で普通の固さ。先が傷んだら交換(1~1か月半めやす)。

・ブラッシング 方法・・・歯ぐきと歯の境目から掃き出すように動かし、一本5回ずつていねいに。前歯は歯ブラシを縦に持つ。側面→裏面→臼歯噛み合わせと順番にていねいに磨く。

・デンタルフロス・歯間ブラシ・・・大人は使用。歯と歯の間の汚れをごしごし磨く。

・就寝前の歯みがき・・・就寝中は唾液の分泌が減少し、細菌が増殖するので特に大事。

・うがい・洗口剤・・・プラークは取り除くことできない。磨き残しが歯石となる。洗口剤もそれほどの効果はない。

歯医者さんで行う予防

・歯石除去(スケーリング)・・・ 磨き残しのプラークは歯石となり、歯石は歯ブラシでも取り除くことはできないので、定期的に歯医者さんで取り除いてもらう。(1年に1回程度)

・シーラント ・・・6歳臼歯のシーラントは、必要に応じておこなってもらう。臼歯に深い溝があって磨き残しや虫歯になりやすい場合に行う。齲歯初期の段階では充填にもなるので、シーラントの樹脂をつめる。処置をしても欠けたり、擦り減ったりするので、定期健診を受ける。

・フッ素湿布・・・ 必要に応じて数回行う。

・フッ素錠剤・・・ バランスのよい食生活や飲料水で必要量摂取できると考える。

・定期健診・・・ 6歳までに一度は受診し、健診を受けて歯科医に慣れておき、定期的に健診を受けること。

その他の注意で予防

・食生活・・・糖質の控えめな食生活。ジュース、あめ、チョコなど糖分を多く含む食品を与え過ぎない。就寝前の甘味料の入った飲み物(カモミールなど)や砂糖・はちみつをつけたおしゃぶりなどは絶対に避けること。

・おしゃぶり・指しゃぶり・・・2~3歳までとする。顎や口蓋部の骨格形成、歯列、咬合に健康被害がある。

・抗生剤 ・・・歯の形成時期に服用すると、エナメル質が変質し、歯が変色する抗生剤があるので注意する。

歯科矯正で予防

・家庭でもチェック・・・ 下顎が上顎より突出していないか、噛み合わせに歪みがないか、不正咬合がないかなどをみて、気になることは矯正歯科医に相談する。

・口腔パノラマレントゲン検査・・・ 歯科健診以外に、口腔全体のレントゲン検査で、隠れた問題がないかどうか調べてもらう。永久歯の準備段階で不足や過剰、口腔の疾患が見つかることがある。智歯の有無もチェック。

・骨格矯正は早目に・・・歯列矯正は12歳ごろからの矯正でもよいが、咬合や骨格の問題は7歳ころには矯正を始める。顎を広げる拡大床矯正は、乳歯のときに始めないと、その後は外科的処置を行わなければならなくなる。

~イタリアフッ化物とむし歯事情 FLUORO E CARIE~

イタリアでは歯科や小児科で、子供に経口のフッ化物錠剤を勧められることが多いです。フッ素元素の陰イオン状態にあるものがフッ化物で、むし歯の予防に用いるのはフッ化ナトリウムだそうです。

錠剤は食事に混ぜるか、就寝前の歯磨き後、ゆっくり口にふくませて服用します。結晶性の向上を促し、酸に溶けにくい歯質をつくると言われています。継続して行うことが、確かな予防効果につながるそうですが、継続して過剰に摂取すると危険です。歯に白い斑点が生じるフッ素症のリスクがあるためです。適正量を服用することや、乳児期に使用しないことが重要なポイントになりますが、錠剤をわざわざ与える必要はないようにも思います。

そもそもフッ化物は、緑茶、紅茶、ウーロン茶や、海草、小魚などに高い濃度で含まれています。多くの歯みがき粉や洗口うがい液にも配合されています。バランスのよい食生活としっかりていねいな歯みがきをしていれば、フッ化物を投与する必要はないとの考えの歯科医院も多いようです。

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